Geminiの目覚ましい進化を背景に、Google Cloudが真の「インフラストラクチャ」としての地位を確立しようとしています。

4月10日早朝(日本時間)、テクノロジー業界の注目を集めるイベント「Google Cloud Next 2025」がついに開幕しました。

もしNvidiaの年次ハードウェアカンファレンスを「AppleのAIカンファレンス」と呼ぶなら、今年のGoogle Cloud Nextはさながら「AI版CES」といった様相です。熱気あふれる会場には、AIに関する様々な疑問や期待を抱えた人々が集まり、活発な意見交換が至る所で行われていました。

3か月前、同じラスベガスの同じステージで、NvidiaのCEOであるジェンスン・フアン氏がAIをテーマに基調講演を行い、CES 2025が開幕しました。

しかし、今日のGoogle Cloud Nextのオープニング基調講演の熱気は、フアン氏の講演をはるかに凌ぐものでした。会場はすでに満員でしたが、それでも空席が出るのを待ち、入り口には長蛇の列ができていたのです。

基調講演に集まった聴衆の数は、フアン氏の講演時よりも明らかに多かったと言えます。

フアン氏個人のカリスマ性もさることながら、Googleの動向が依然として業界の多くの人々の注目を集める理由は明白です。それは、Googleが現在、AIモデルの応用展開という分野において、圧倒的な存在感を示しているからです。Gemini 2.5 Proを基盤とする今年のGoogleのAI分野における影響力は、すでに最前線に立っています。しかし、Google Cloudにとって、この強力な機能を世界中のユーザーが実際に活用できる「インフラ」へと कैसे転換するのか。それこそが、Next 25が世界中のユーザーに対して最も明確に答えるべき問いなのです。

推論モデルに最適化された自社開発の第1世代Google Tensor TPUチップに加え、Geminiの機能はGoogle Workspaceエコシステムに深く統合されつつあります。さらに、「Geminiのローカル展開」という大きな動きや、業界の多くの人々を興奮させた「Agent2Agent」通信プロトコルの発表など、Googleは着実に「AIインフラ」の構築を進めているのです。

Google Cloud Nextが発表した製品に対するネットユーザーのコメントからも、その期待の高さが伺えます。

初日の基調講演だけで、GoogleはAI応用分野におけるほぼ包括的な製品ロードマップを示し、ほぼ全ての領域で業界最先端のアイデアとソリューションを打ち出しました。

Google Cloud Next 25の基調講演を全て視聴した後、多くのネットユーザーが「Googleはまさに現在の大型モデルメーカーの中で『神モード』をオンにしたプレーヤーだ」と評したのも頷けます。

新モデル「Gemini 2.5 Flash」が描く未来

Google CEOのサンダー・ピチャイ氏自らが発表した新モデル「Gemini 2.5 Flash」は、その前身である「Gemini 2.5 Pro」とは一線を画します。「効率性を重視しながら強力なパフォーマンスを提供する」ことを目指した、新たな推論モデルです。

ピチャイ氏によると、Gemini 2.5 Flashの最大の特長は、「動的かつ制御可能な」コンピューティング能力を提供することで、開発者はクエリの複雑さに応じて処理時間を手動で調整できるようになります。「お客様のニーズに合わせて、速度、精度、コストのバランスを調整できます。この柔軟性は、トラフィック量が多くコスト重視のアプリケーションにおいてモデルのパフォーマンスを最適化する上で非常に重要です。」

現地のGoogleエンジニアとの会話によると、いくつかの簡単なタスクにおいては、2.5 Proが「考えすぎ」る傾向があり、それが応答速度の低下につながっていたとのこと。2.5 Flashは、まさにこの課題を解決するために開発されました。最終的な目標は、モデルの動的な思考能力をさらに向上させ、ユーザーにこれまで以上の制御性を提供することです。

大型モデルの価格性能比競争において先陣を切ったGoogleは、DeepSeek R1のような「低価格ながら高性能なモデル」との比較にも言及し、2.5 Flashが顧客サービスやドキュメント解析といった「高トラフィック」かつ「リアルタイム」性が求められる商用シナリオに非常に適していると強調しました。

新モデルの発表に加え、Googleは最新モデルを「ローカルに展開」するという重要な戦略も明らかにしました。これにより、すでに自社でデータセンターを持つ顧客や、より高度なデータ管理要件を持つ顧客は、既存のハードウェア設備を活用して、Gemini 2.5 Flashの機能を自社のサービスに迅速に組み込むことが可能になります。

Googleは、今年の第3四半期から2.5 FlashをはじめとするGeminiモデルをローカル展開環境に導入する予定です。同社のGeminiモデルは「Google Distributed Cloud (GDC)」で利用可能になる予定であり、さらにGoogleはNvidiaとも協力し、GDCの仕様を満たすNvidia BlackwellシステムにGeminiモデルを搭載することも発表しました。

Gemini 2.5 Flashの登場とローカル展開戦略は、Google Cloudが単なるクラウドサービスプロバイダーから、真の「AIインフラ」構築へと大きく舵を切ったことを示唆しています。今後のGoogle Cloudの動向から目が離せません。

投稿者 nobodycareblog

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